Microsoft、AIによるサイバーセキュリティ防御システムを発表 - 攻撃を予測・自動遮断

Microsoft、AIによるサイバーセキュリティ防御システムを発表 - 攻撃を予測・自動遮断

Microsoftは11月5日、AI技術を活用した次世代サイバーセキュリティシステム「Azure AI Security Defender」を発表した。このシステムは、機械学習アルゴリズムを用いてサイバー攻撃を事前に予測し、自動的に防御措置を講じることができる。

従来のセキュリティシステムは、既知の攻撃パターンに基づいて脅威を検出する「シグネチャベース」の手法が主流だった。しかし、Azure AI Security Defenderは、ネットワークトラフィック、ユーザー行動、システムログなど膨大なデータをリアルタイムで分析し、未知の攻撃パターンも検出できる。

主な機能は以下の通り:

**1. 予測的脅威検出** 攻撃が実行される前に、異常な兆候を検知して警告を発する。例えば、通常と異なるログインパターンや、不審なデータアクセスを即座に識別する。

**2. 自動対応システム** AIが脅威レベルを判定し、重大な攻撃に対しては人間の介入なしに自動的に遮断措置を実行する。これにより、攻撃の初期段階で被害を最小限に抑えることが可能になる。

**3. 継続学習機能** システムは運用中も常に学習を続け、新たな攻撃手法に適応していく。企業固有の環境に最適化されたセキュリティモデルを構築できる。

**4. 可視化ダッシュボード** セキュリティ担当者向けに、脅威の状況をリアルタイムで可視化するダッシュボードを提供。AI の判断根拠も透明化し、説明可能性を確保している。

Microsoftのセキュリティ部門責任者は「AIとセキュリティの融合は、もはや選択肢ではなく必須だ。サイバー攻撃の高度化・巧妙化に対抗するには、人間だけでは限界がある」と語る。

Azure AI Security Defenderは、2025年12月から企業向けに提供開始される予定で、月額料金は企業規模に応じて100万円から500万円程度になる見込み。すでに複数の大手金融機関や製造業がパイロットプログラムに参加しており、高い評価を得ているという。

記事提供
CNET Japan
公開日
2025-11-06